DARUMA STORE


2016.5.13

編むひと。
なるじあき さん


名古屋市在住
糸編みアーティスト

名古屋の地下鉄東山線の東山公園駅。動物園と植物園がある駅なので、地下鉄の出口から地上に上がると、そこは緑がとても心地よい、静かな街が広がっていました。 2番出口から出て歩きはじめると、すぐにレトロ感がとてもカッコ良いビルが現れました。

今日の目的地はこのビルの2階にある本屋さん、ON READING。こちらのお店のギャラリースペースで、糸編みアーティストのなるじあきさんが企画した展示会が開催されていました。

 

なるじさんのことを知ったのは約5年前。その年に発売されたなるじさんの初めての作品集、「かぎ針で、可愛い大人のアクセサリー」に私たちの糸を使ってもらっていたのがきっかけでした。その時は一緒にお仕事をすることはなかったのですが、今年発売したダルマレース糸#60のプロモーション用のサンプルデザインをお願いしたことをきっかけに初めてお会いすることになりました。

その時にお話されていたことは、「糸りとり」をしているということでした。※しりとり、と読みます。

「糸りとり」は名古屋発のウェブサイトLIVERARYの中で、なるじさんが企画・ディレクションを担当されているコラムのことで、糸とは普段あまり関係のないイラストレーターやアーティストの人たちを中心に、糸を使った作品をつくってもらい、作品タイトルをしりとりでつないでいく企画です。



今回の企画展では、「糸りとり」で制作されたアーティストの作品が、最終回を含めた26点すべて集められていました。



最初の作品は2年半前、 なるじさんの「あ」→「赤い輪っか」から糸りとりは始まります。



そして、いろいろなアーティストたちが糸を使った作品でリレーを繋いでいきます。



多田玲子さんの「ケンカをやめて」の「て」を受けて、最後の作品もなるじさんで終わります。 
て → 「点と線」

最後に制作で使用した糸やかけらもつなげたくて、作品と一緒に送ってもらっていたものだそうです。




もちろんAKI NARUJiのアクセサリー販売もされていました。

そして、この企画が終わる時に「糸りとり展」をやろうと決めていたなるじさんが、展示中に販売したいと考えていた大原大次郎さんによる「糸」のKOTOBADGE(コトバッチ)。直接ご本人に言葉とイメージを伝える機会があり実現したそうです。



なぜこのようなコラムをはじめることになったのか?
お話を聞いてみました。

「ざっくりとこの界隈の中で、何か発信する側のお手伝いがしたい、みたいな感じなんです。」

糸編みアーティストとしては意外な答えでした。

「この企画をはじめた頃は、糸にまつわるイベントを開催したいと思案中だった時で、タイミングよくLIVERARY立ち上がりに何かやりませんか?と声をかけて貰ったのがきっかけでした。」

「糸 → 連載 → つなげる → しりとり → 糸って"し"って読める!となり"糸りとり"。」

なるほど!

「で、連載が終わった時にイベントをやろうと決めました。」

「特に自分が発信したいわけではなくて、興味のある世界の中のいちスタッフとして生きていければ毎日が楽しいだろうな、という感じで。。」


なるじさんは以前、名古屋PARCOのタワーレコードでPOPやディスプレイををつくる仕事をされていたそうです。昔から編み物だけをされてきた訳ではなく、例えば演劇の衣装とか、他にも興味があることがあるようでした。 だから、発想や活動が自由に感じるのでしょうか?

アクセサリーに使われている糸は手芸用だけではなく、建築資材のコードだったり。
作家なのに、あまり積極的に新作を作ろうとはされません。

ただ、なるじさんと話していると「とても真面目な人だなぁ」と感じます。
良い意味で不器用というか、やるからには本気でやる。という熱意を感じる人です。

レース糸#60のプロモーション用サンプルを依頼した時もそうでした。
新製品なのでインパクトがないと・・とか、色を全色見せないと・・、とかこちらがお願いしていない内容まで自分で考えてくださり、提案していただきました。

その結果、#60ならではの表現ができました。



なるじさんからお話をきいている時、「アイデアが降りてくる」というフレーズを何度かおっしゃっていました。
アイデアが降りてくるのは、常に頭の片隅でより良い表現を探しているからなのではないかな?と思います。

そこまでして考え抜くには情熱が必要ですし、 周りの人を動かすにも情熱が必要です。

「糸りとり」の参加者の方々
遠山 敦 / Tomoe Miyazaki / 松尾 ミユキ / 田口 美早紀 / wassa / 都筑 晶絵 / Nobue Miyazaki / 鈴木 いずみ / 塩川 いずみ / nakaban / 山口 洋佑 / 狩野 岳朗 / 村橋 貴博 / fancomi / 藤田 道子 / 松井 一平 / 前田 ひさえ / 井本 幸太郎 / 大橋 裕之 / 片岡メリヤス / FLANGER maki / 佐藤 紀子 / 間芝 勇輔 / 多田 玲子(しりとり順)
作品はこちらからご覧いただけます。 → 

こんなにたくさんの方が、協力してできあがった「糸りとり」
なるじさんの人柄はもちろん、まっすぐな気持ちがなければ出来なかったのではないでしょうか?


下記にて、なるじさんのアクセサリーを手にとってご覧いただける期間限定ショップが開催されています。

夏の扉
AKI NARUJi Limited Shop
2016.5.3 (TUE) -- 5.28 (SAT)
www.kamiyabakery.com

お近くの方は、ぜひ足を運んでみてください。

写真と文 横田株式会社 横田
#60レース糸の写真 平野愛