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2015.12.18

編むひと。
渡瀬 りささん


兵庫県在住
主婦

今回お話を聞かせてくださるのは、兵庫県の山手にお住まいの渡瀬りささんです。
8歳男の子、6歳女の子、1歳男の子、3人のお子さんと旦那さまとの5人暮らし。



風がすっと通り抜ける、とっても気持ちのよいリビング。
大きな窓からは大きな空と山がみえ、季節ごとにいろんな景色を見せてくれます。
大阪市内から30分ほどの距離ですが、全然空気が違います。とっても澄んでいて、空気がおいしい!



りささんは学生の頃からこの土地に住んでいて、結婚後もご実家のお近くにお家を購入されました。
去年の10月に10年間住んだお住まいを思い切ってリノベーションし、ご夫婦の想いがかたちになりました。
キッチンは広々として作業がしやすそうで、壁のレンガがとっても素敵です。
使いやすそうな大容量の棚板には素敵なキッチンツールがならんでいます。見せる収納ならではで、必要の無い物は思い切って捨てれたそうです。ほんと、使い勝手が良さそうです!



しきりをとって広々としたぶん、暑かったり、寒かったりが心配だったそうですが、夏は涼しく、冬は暖かく、とても過ごしやすいそうです。


TRUCKのソファは息子さんの特等席。

「ちょっととなり、いいですか?」

りささんは、ソファに腰掛けると今編みかけているものを編み始めました。
編み進んで行くうちに、毛糸に息子さんが子猫のようにじゃれはじめます。

「こんな感じでなかなか進まないんですよ。」と、にっこり。



今編んでいるものは、デンマークのマリアンネ・イサガーさんのストール。
細い毛糸で編んでいくので、とっても繊細です。

「なぜか編んで行くうちにジグザグになっていくから編み物って不思議、3人の子ども達がみな性格が違うように、編んでいくものが同じにならないので、編み物は子どものようです。」

1本の糸からいろんな形が生まれる。同じ糸でも編み方によって違う形に編み上がる。。。



りささんは、なんでもご自身で作る事がすきなのだそう。
たとえば、お子さんの通園通学バックやポーチなどもサイズなどを気にして既製品を買うよりも、ミシンでささっと作ってしまいます。

お菓子作りもされるようで、この日はざくざくのビスコッティーを出してくださいました。
手作りのとっても優しい味でした。



「でも、ミシンは出すとしまうのがおっくうなんで、やっぱり編み物がいいですね。」

「編み物は中学生の頃からちょこちょこと。母親や友達に教えてもらったりしながら、マフラーや帽子なんかをひと通り編んだあとに、図書館で見つけたレース編みの本に衝撃をうけました。」

それがきっかけでレース編みに没頭しはじめたそうです。こちらも自己流なんですが、、、と、編んだものをを見せてくださいました。

白くて繊細!まるでサンゴのようです。

とても細いレース針で繊細な糸を編んでいく。
DMCのレース糸はほどよい艶感があり、フランスのアンティークのようなくすんだ白色です。

「納得のいく形が編めたら、イヤリングになったり、ネックレスのになったり、くるみボタンはブローチになったり。編みすすめていくうちにいろんな物になっていくのがとっても面白いんです。」



「ゆっくりじっくりと向き合うには忙しくって、難しいけど、ちょっとの合間でちょっとづつ出来上がっていくその姿が嬉しいですね。」

「それに、上の子に編んだものも、下の子がまたつかってくれる姿などみていると、なかなかやめられません。」

お姉ちゃんの為に作ったマフラー付きの帽子を、今年は息子さんへ。
長いマフラーをぐるぐるまいて、嬉しそうに、行ったり来たり。
とってもよく似合っています。



お子さんたちと作った、とっても素敵なクリスマス用のオーナメントも見せていただきました。

「公園で、小枝を拾ってきて、それに毛糸をぐるぐると巻き付けただけなんですよ。ちいさい靴下は編んだんですが、ちょっとスリッパみたいですかね?」と、りささん。

「前に自分用に編んだ、ざっくりとした靴下もだいぶクタクタになってきたけど、お気に入りです。」と見せてくださいました。
こちらは使い込まれた感じがとってもかわいいです。



「うまく編めたものを、友人にプレゼントしたことがあって、とっても喜んでくれたんです。」
その友人の言葉が編み物を続ける原動力となりました。
そのうち、イベントやお店などでも取り扱ってもらえるようになって、買ってくださった方からの感想を聞いたりして、気持ちが分かるとまた励みに繋がったそうです。

一番下の息子さんの出産もあり、編み物は今はのんびり無理の無い範囲で続けている、りささん。
編み物をひと休みする時期があっても、次にじっくり編めるような時間がくるのが楽しみなんですと、 話してくださいました。

広くて、気持ちのよいお家で、家の事をし、一段落したらちょっと息子さんと遊ぶ。
昼寝の時間には、ちょっと一息ついてベランダからの景色を眺め、時間があれば編み物を。
今はそんな毎日を楽しんでおられます。



りささんと息子さんの、のんびりとした昼下がり。

大きな窓からの眺めがとっても素敵で、どこか遠くへ来たような気分になりました。





写真と文:橋田 有加里